兵庫みなと動物病院ブログ

手術はこわいですか?

2015年09月25日

春の更新以来、かなり間隔があいてしまいました。久しぶりのブログです。

人間はもとより、動物にも高齢化社会がやってくると言われていますね。
そしてそれによって腫瘍疾患(いわゆる癌)と出会う機会も増えてきました。

腫瘍が疑われると、手術を提案するケースが多くあるのですが、
飼い主さんの中には手術をためらわれる方も少なくはありません。

「高齢なのに全身麻酔をかけて大丈夫なんだろうか」
「メスを入れると痛みが辛いんじゃなかろうか」

といった想いをみなさん揃って口にされます。
治療のためとはいえ、苦痛になるかもしれない事は避けてあげたい気持ちは誰しもあるでしょう。


中でも特に、決断するのに勇気がいるのが「断趾」と「断脚」。

断趾は指を、断脚は足を、切除する手術です。
先の想いに加えて、
「歩けなくなるんじゃないか」「指や足を失ったショックで落ち込むのでは」
といった想いも加わってより一層悩まれます。

手術の目的は、“そのコの病気を治すため” “苦痛を和らげるため”

それは解っていても良いイメージはなかなか湧いてこないものです。


今回のブログでは、当院で行った断趾手術の経過を記載しました。
イメージと現実のギャップを埋める参考にしてもらえると幸いです。


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こちらのワンちゃんは、14歳のレトリーバーで、
右前足の第4趾(薬指に相当)に出来物があるとの主訴で来院されました。


検査によって腫瘍と診断し、手術が適応である旨をお伝えしますが、
飼い主さんは以前より、高齢のため手術は避けたいという意向を示されていて
経過観察を希望されます。

私たちはその意向を尊重しつつ
「手術をしてあげたくなったらいつでも言って下さい」と伝えました。


そうなることは予想していましたが、
腫瘍は徐々に大きくなって歩くたびに擦れるようになり、出血するようになります。


塗り薬でケアするも抑えきれず、また不快感から傷を舐めるようになり、
飼い主さんは、手術のリスクや予後、手術で得られるメリットを、
十分熟考された上で手術を決断されました。


手術は腫瘍をできている指ごと切除する「断趾術」

ワンちゃんは無事に乗り越えてくれました。


術後はバンテージで保護し、鎮痛剤を処方しますが、患肢をかばって歩きます。
(手術をためらわれる理由はこの姿を想像してしまうからでしょう)

バンテージ交換毎に少しずつ接地するようになるも、しばらくは歩きたがらなかったそうです。


それでも術後2週間目、抜糸の時には4つの脚をつかって歩いてくれるようになりました。


まだ少しかばう様子はありますが、 自宅では患部を舐める事もなく、不快感は解消されたようです。

飼い主さんは「手術してあげてよかった」と感じてくださり、
私たちも勇気をもって決断して下さった飼い主さんの気持ちに応えられた事が嬉しいです。


腫瘍を抱えると、特に悪性で予後が悪いものであれば一層、
残りの生活を苦痛なく過ごさせてあげたいと想う気持ちはとても大切なものです。
とはいえリスクに対しての悪いイメージばかりが大きくなって判断を鈍らせてしまうことは良くないですよね。


このブログ記事が客観的な判断材料になってくれることを願い、
投稿させていただく事を快諾くださった飼い主さんに感謝します。
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